ストレスマネジメントとは?体と心を守るためにストレスとの上手に付き合う方法

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私たちは、日々さまざまなストレスにさらされています。将来への不安や健康・収入・容姿・介護・育児・家事……。自分の人生を全うするだけでも精一杯なのに、人間関係でもストレスを抱えると精神的に余裕がなくなってしまいますよね。

どんなに幸福な人生を歩んでいるように見える人でも、必ずストレスを抱えています。人生においてストレスを完全になくすことは不可能です。余裕を持って人生を歩むためにはストレスの原因をなくすように努めることも大切ですが、抱えたストレスをどのようにコントロールするかも同じくらい重要な要素です。

今回は、体と心を守るために心がけたいストレスマネジメントについてご紹介します。ストレスとの上手な付き合い方を学び、人生に与えられた時間をできる限り前向きに過ごせるように、自分をコントロールしていきましょう。

目次

ストレスマネジメントの意味とは

ストレスマネジメントは、ストレスとの上手な付き合い方を考えながら適切な対処をしていく行為・考え方を指します。医療カウンセリングのように専門家のみに与えられたスキルではなく、ストレス対策として私たちの誰もが実践できるスキルです。

私たちはストレスを感じると、体や心にさまざまな影響を受けます。ストレスには必ず原因があるものですが、私たちはストレスの原因を常に完璧に理解しているとは言い難い状態です。「〇〇で悩んでいる」のように明確に理解している原因もあれば、無意識のうちに感じているストレスもあるでしょう。

ストレスマネジメントでは、起こった事象に対して自分がどのような感情やストレスを抱いているのかを客観的に分析しつつ、ストレスとして感じないための方法やストレスを外に逃がすための方法を模索します。ストレスをゼロにすることはできないからこそ、上手に共存していく方法を見つける手段がストレスマネジメントなのです。

自律神経失調症にも…ストレス過剰による心身の影響

ストレスは、私たちの体にさまざまな影響を与えます。多少のストレスであれば、適度な緊張感やモチベーションを上げることにより、普段以上のパフォーマンスを発揮するための要素にもなるでしょう。しかし過度なストレスは悪影響が大きく、心や体に多くの負担を生じさせます。

ここでは、ストレス過剰による心身の影響についてご紹介します。とくに調子が悪いのが当たり前になっている人は、今一度普段の自分の心身のコンディションを見直しましょう。ストレスマネジメントをすることで、今よりも生きやすい状態を取り戻せるかもしれません。

1.集中力や思考力の欠如

ストレスを感じると、集中力や思考力が欠如します。これらの反応を「行動的反応」と呼びます。他には過食や生活の乱れ・性欲減退・暴言・暴力・遅刻・欠席などの症状が代表的です。周囲と円滑なコミュニケーションが取れなくなったり、仕事でのパフォーマンスが落ちたりする原因になるでしょう。

作業効率が下がると周囲から注意を受けたり、心配の声をかけられたりすることも。心に余裕がなくなっているため相手の言葉を素直に受け取ることも困難になり、強い言動で相手を傷付けてしまったり、自己嫌悪に陥ってしまったりします。

2.精神面への影響

ストレスによって及ぼされる精神的な影響を「心理的反応」と呼びます。イライラ感や抑うつな気分・物忘れの増加・不安・落ち込みなどが代表的です。物事を悲観的に捉えやすくなり、必要以上に自分を責めてしまうことが増えるでしょう。

慢性的にイライラしている状態で、周囲との人間関係の構築が困難になります。ケアレスミスなども増え、さらにイライラが増してしまうことも。ネガティブな考え方が多くなり、身近な幸福に気付きにくくなります。

3.身体面(自律神経)への影響

ストレスで生じる「身体的影響」の反応は、過食や倦怠感・肩こり・食欲減退・めまい・不眠・動悸・頭痛・だるさなどが代表的です。休日にしっかり休んでも疲れが取れなかったり、ベッドに入ってもなかなか寝付けなかったりする状態が挙げられます。

食事をしっかり摂っていても貧血のようにフラフラしたり、慢性的な頭痛が取れずにパフォーマンスに影響が出たりすることも。体がだるい状態が続くため精神的にも落ち込みやすくなり、さらなるストレスを引き起こしてしまいます。

ストレスマネジメントの基本的なやり方

ストレスマネジメントは、ストレスを自覚した上で共存できるようにコントロールしていくスキルです。基本的なやり方を覚えることで、よりスムーズで的確なストレスマネジメントが実現できます。

ここでは、実際にストレスマネジメントを行う際の雛形となるやり方をご紹介します。どのようなタイプのストレスにも併用できるやり方となっているため、ぜひ覚えて今後のストレス対策に生かしましょう。

1.セルフモニタリングでストレスに気付く

ストレスマネジメントでまず行うことは、セルフモニタリングです。セルフモニタリングは、自分でストレスを感じている状態を認識し、ストレスの原因を発見する行為を指します。

ストレス反応があるときに、自分の体調や感情が変化することを認識します。自分がどのようなタイミングやシチュエーションでストレスを感じるのかや、不調の内容を知ることで、より具体的なストレス対策を考えるのが目的です。

セルフモニタリングでは、以下の5つの要素に分けて観察と分析を行います。

  1. ストレスを感じるシチュエーション
  2. ストレスを感じたときに何を考えているか
  3. ストレスを感じたときの気分や感情
  4. ストレスを感じたときの体の変化・反応
  5. ストレスを感じたときにどのような行動を起こしたか

頭の中で想像するだけではなく、実際に文字に起こすことでストレス要因や変化を可視化し、把握しやすくします。ストレスにより生じる変化が明確になるほどに、対処法もより具体的になってくるでしょう。

2.ストレスコーピングを行う

セルフモニタリングでストレスの原因や反応について認識した後は、ストレスコーピングでストレス反応を減少させます。「コーピング」とはメンタルヘルス用語であり「問題に対処する・切り抜ける」という意味を持ちます。

ストレスに対してコーピングを行うことは、ストレスに上手に対処する方法を見つけるという意味です。ストレスコーピングには、以下の3種類があります。

  • 問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングは、ストレスを抱えているシチュエーションを分析することで解決方法を考えるコーピングです。

例えば「仕事と家事の両立が大変で寝る暇がない」という悩みを抱えていたとします。コーピングでは「勤務時間を減らす」「子どもを預ける」「時短家電を買う」「周りに手伝ってもらう」「シッターを雇う」などの結果が出ます。問題を直接的に解決に導くためのアプローチであることが特徴です。

  • 情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングでは、心や感情、思考にアプローチすることでストレスマネジメントを行います。家事と育児の例であれば、「同じ悩みを持つ人に話を聞いてもらう」「苦労をやりがいを認識する」などが当てはまります。

表面的な問題は解決しないままでも、事象の捉え方を変えることでストレスを減らす方法です。いわゆる「考え方を変える」という方法であり、他人と感情をシェアすることも大切な要素です。

  • ストレス解消型コーピング

ストレス解消型コーピングは、受けたストレスを解消するための対処法を考えるコーピングを指します。例えばマインドフルネスやヨガ・睡眠・リラクゼーションなど、ストレスをアウトプットする行為です。

どのようなストレスにおいても対処しやすく、心の平穏やリラックスにつながるアプローチをすることにより、マイナスなストレス反応をケアします。

自分に合ったコーピングを行うことが大切

ストレスマネジメントにおいて大切なのは、問題焦点型・情動焦点型・ストレス解消型の中から、自分に合ったコーピングを選ぶことです。同じ人が行うストレスマネジメントでも、ストレスの種類やシチュエーションによってコーピングを変えても構いません。

例えば「事象の見方をポジティブに変えることが難しい」と感じる場合は問題焦点型コーピング、「環境やシチュエーションを変えるのが難しい」と感じる場合は情動焦点型コーピングのように、柔軟に対応を変えることがウェルビーイングにつながります。

ストレスマネジメント能力を身に付けて精神的余裕を取り戻そう

今回は、ストレスを受けたときの対処法であるストレスマネジメントについてご紹介しました。スムーズなストレスマネジメントのためには、自分をどれだけ理解できているかも大きなポイントとなります。

自分の性格や性質を理解していると、ストレスを感じやすい相手や状況が予測できます。ストレスに悩まないための最善の方法は、ストレスを受け取らないことです。

気の合う友人やモチベーションが上がる人たちと一緒にいる時間を増やし、心がすり減る人たちとの付き合いは最小限に留めましょう。予防と解消を繰り返しながら、ストレスをため込まない生活を目指してくださいね。

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