転職活動が長引くと、心と体がどんどん疲弊してきます。しっかり練習したはずなのに本番で失敗してしまったり、手応えがあると思ったのに残念な結果になってしまったり……。思い通りに進まずに、精神的に落ち込んでしまうこともあるでしょう。
転職活動は、今の仕事と並行して行うケースが多いでしょう。体力的に負担も大きくなり、最初はモチベーション高く取り組んでいた人も少しずつ気落ちしてしまいがちです。「自分の選択は本当に正しいのか?」と悩んでしまうこともあります。
今回は、転職活動に疲れを感じる原因やリフレッシュ方法などをご紹介します。心が落ち込んだままでは、成功するはずの転職活動も失敗してしまいます。上手に気持ちを切り替えて新しい人生を歩むためにも、まずは自分の心身をケアしてあげましょう。
転職活動が疲れる原因
ここでは、転職活動に疲れる原因として挙げられるものをご紹介します。転職を決意するに至った原因が人それぞれであるように、落ち込む理由も千差万別です。自分がなぜ落ち込んでしまっているのかを客観的に分析することで、適切なリフレッシュ方法につなげていきましょう。
1.自分の価値を否定されている感覚になる
転職活動がうまくいかない時期が続くと、自分の価値を否定されているような感覚になります。面接では今まで自分が培ってきたスキルや人間性をアピールすることで、自分の必要性を伝えます。その上で不採用の結果を受け取ると「あなたは必要ありません」と言われた気持ちになってしまうのです。
実際は、企業が求めている人材と自分の能力が噛み合わなかっただけです。しかし不採用が続くと「自分を求めてくれる場所があるのだろうか」「本当に自分はこの世界に必要とされているのだろうか」と悲観的な考えを持ち、落ち込んでしまいます。
2.体力的に負担がかかる
転職活動では、体を酷使する時期が続きます。在籍している会社で普段通りの仕事を続けながら家事もこなし、隙間時間を縫って転職活動をしている人も多いでしょう。睡眠時間も削られ、人によっては会社の休憩時間もほぼないような状態になってしまいます。
育児や資格勉強もしている人は、プライベートの時間を取ることがさらに困難に。気分転換ができないまま体力が尽き時間は過ぎてゆき、心の余裕がなくなってしまいます。体が疲れている状態で仕事をしていると、普段しないようなミスが発生して自己嫌悪に陥ることも。
3.転職に成功した人と比べてしまう
転職活動がうまくいかないと、自分と他人を比べてしまいがちです。心身のコンディションが良いときは、転職に成功した人を見て「自分もがんばるぞ!」とモチベーションを上げていた人もいるでしょう。
しかし不調が続くと、他人の成功は劣等感を刺激するものに変わります。「他の人はスムーズに転職できているのに、どうして自分はできないのだろう……」と自分を責めてしまいます。駄目だとわかっているのに比べることをやめられず、気持ちがどんどん落ち込んでしまうこともあるでしょう。
4.諦めてしまいそうな自分に自己嫌悪を感じる
転職活動がうまくいかないと、途中で心がくじけてしまいそうになることも。転職を決意する背景には、人それぞれの理由があるはずです。キャリアアップしたい、収入を増やしたい、家族を安心させたい、自分の限界を越えたいなど、ポジティブな理由で転職を決意し、覚悟して行動に起こした人が多いでしょう。
しかし現実は簡単ではありません。不採用が続くと自信が失われ、焦燥感に駆られます。自己価値に疑問を抱く日々が続く中で「もう諦めようかな……」と思うことも珍しくありません。転職を決意した自分を振り返ると、現状に悲観的になり自己嫌悪に陥ってしまいます。
5.嘘をついているような感覚になる
正義感が強い人や真面目な人が転職活動をしていると、嘘をついているような感覚になり落ち込んでしまうことがあります。転職活動では、自分の人間性を美化して伝えることが多いものです。もちろん、美化すること自体は間違っていません。就職活動でも転職活動でも、自分をいかに魅力的な人材に見せるかは重要なポイントです。
しかし中には、美化した自分を見せることで「本当の自分とは違う自分を見せてしまっている」と罪悪感を抱いてしまう人がいます。自分にも面接官にも嘘をついているような感覚になり、申し訳なさやいたたまれなさで苦しくなってしまうのです。
心身が疲れていると面接にもネガティブな影響が…
心身が疲れていると、面接にネガティブな影響を及ぼしてしまう可能性があります。体の疲労は顔色を悪くし、表情も暗めに。女性の場合はお化粧の乗りも悪くなり、気分がさらに落ち込んでしまいます。面接時の笑顔も、どこか不自然な印象になってしまうでしょう。
面接官は、こちらが思うよりも内面を見抜いてくるものです。自分に自信を持てていない状態で面接に臨むと、心を見透かされてネガティブなイメージを持たれてしまうことも。心身を癒すことは転職活動へのモチベーションを回復させるだけではなく、面接で良い結果を残すためにも必要なのです。
転職活動で疲れた気持ちのリフレッシュ方法5つ
ここでは、転職活動で疲れた気持ちをリフレッシュするための方法をご紹介します。何事も、心身のコンディションがよくなければうまくいかないものです。上手に気分転換して体力や精神力を回復し、次の面接に向けて英気を養いましょう。
1.まずは体をしっかり癒す
転職活動で疲れてしまったときには、まずは体をしっかりと癒すことを心がけてください。体と心のコンディションは密接にリンクしており、体が疲れると心にも影響してしまいます。また睡眠不足や疲労は顔にも現れやすく、面接に悪影響を及ぼす可能性があります。
転職活動を成功に導くためにも、しっかりと体を休める期間は大切です。十分な睡眠を取り、栄養バランスの取れた食事を意識して健康な体を目指しましょう。マッサージや温泉なども活用し、心身ともにリラックスさせてくださいね。健康な精神は、健康な体に宿るものです。
2.信頼できる人に愚痴を聞いてもらい、アドバイスをもらう
転職活動で心が疲れたときには、信頼できる人に愚痴を聞いてもらいながらアドバイスももらいましょう。悩みを一人で抱え込んでいると、悪い想像がどんどん膨らんでしまいます。ネガティブ思考は表情や言動にも現れ、うまくいくはずの面接も失敗してしまいます。
苦しい気持ちを誰かが知ってくれていると思えるだけで、心は楽になるものです。相手に客観的に自分を見てもらい、どのように自分を変化させれば面接で好印象を与えられる可能性が高まるかを相談してみましょう。自分だけでは気付けない意外な指摘があるかもしれません。
3.現実を手放せる時間を過ごす
転職活動で疲れた心を癒すためには、現実を手放せる時間を過ごしましょう。ストレスマネジメントの基本は、ストレスの原因から距離を置くことです。この方法は、ストレスの原因が転職活動の場合も同様です。
プチ旅行や映画館など、現実を忘れられる場所でのひとときは心をリフレッシュさせてくれます。プライベートの時間が取れていない人は、まとまった休みを設けて趣味に没頭するのもよいでしょう。プラネタリウムや動物園、水族館など、現実離れした時間を手軽に過ごせるスポットがおすすめです。
4.SNSを閉じて自分の時間を過ごす
転職活動がうまくいかないときには、SNSを閉じて自分の時間を過ごすことをおすすめします。SNSは現実を忘れさせてくれるツールでありながら、時には現実を突き付けてくる側面も持っています。特にネガティブな状態はSNSの悪い面ばかりを受け取りがちです。
悲観的なときにSNSを見ても、基本的に良いことはありません。スマホやパソコンは、自分にとって必要な情報やポジティブなメッセージを受け取るために利用しましょう。心が疲れたときはSNSを開く習慣をやめ、趣味や友達との時間などで自分の心を癒すことに集中してくださいね。
5.古い物を捨て、新しい物を迎える
転職活動で精神的に落ち込んだときには、断捨離や模様替えをしてみてはいかがでしょうか。古い物を捨てて新しい物を迎えると気分転換になり「心機一転がんばろう」という気持ちになれます。カーテンやベッドカバーなど、目に入りやすいものを新調するのがおすすめです。
「うまくいかないときもあるのが当たり前」と受け入れよう
転職活動で残念な結果が続くと落ち込んでしまいますが、「人生にはうまくいかないときもある」と割り切る強さも必要です。もちろん最初から最後までスムーズに転職が成功するに越したことはありませんが、本来人生とは思い通りにいかないのが当たり前なのです。
大切なのは目の前の事象に一喜一憂することではなく、自分がなぜ転職したいのかを見失わないこと。心身が疲れていると当初の覚悟も揺らぎ、モチベーションも下がってしまいます。心と体のバランスを取りながら、急がず焦らず少しずつ進んでいきましょう。心の余裕を持てれば、表情や言動にも自信が現れます。
心が折れてしまう前に、休息するのを忘れずに
今回は、転職活動で疲れてしまう原因や気分転換の方法などをご紹介しました。転職活動は肉体的にも精神的にも疲労しやすいものです。考え方が後ろ向きになってきたり、イライラしやすいと感じたりしたときは、いったん休息を設けるサインだと認識しましょう。
今よりも幸福を感じられる人生のために始めた転職活動で、心を病んでしまっては本末転倒です。適度にガス抜きをしながら、自分らしさを見失わないように一歩ずつ歩んでいきましょう。
転職活動が成功して今の会社を辞めるときには、退職時に取るべき行動についてまとめた以下の記事を参考にしてください。後腐れのない退職のためにも、順序を守って気持ちよく新しい人生の門出を迎えましょう。
